☆事業資金を借りるには☆

事業資金が借りられる公的金融機関~公庫や保証協会~

事業を立ち上げる際や運転資金調達をする際に、公的な融資機関があるのをご存知ですか?

「金利が低い」「信用が低い企業なのに融資が受けられた」といったウワサも聞きますが、実際はどうなのでしょうか?

事業資金に使用できる公的融資についてまとめてみました。

事業資金の融資を行う公的機関

これから起業するために資金を調達しよう!と考えるときに知名度の高いメガバンクが思い浮かぶかもしれませんが、何の営業実績もない方が融資を受けるのは厳しいです。

それよりも、地域密着型をウリにしている信用金庫の方が話を聞いてくれるかもしれません。

しかし、それよりも公的な金融機関の方が比較的融資を受け易いかもしれません。なぜなら「これから起業したい」「創業して間もない」「個人企業や中小規模な企業」「担保がない」など民間の金融機関が取扱えない企業を補う融資をしてくれる機関だからです。

公的融資は大きく分けて二つあります。政府が全額や一部を出資する「政策金融」と自治体が窓口になり民間銀行から融資を受ける「制度融資」です。

設備資金や運転資金に使える公的融資

  • 日本政策金融公庫(JFC)
  • 日本政策投資銀行(DBJ)
  • 国際協力銀行
  • 沖縄振興開発金融公庫
  • 中小企業基盤整備機構
  • 商工組合中央金庫
  • 自治体の信用保証協会

日本政策金融公庫・日本政策投資銀行・国際協力銀行・沖縄振興開発金融公庫は政府が経済発展安定などを目的とした政策金融機関の特殊法人です。

日本政策金融公庫(JFC)

日本政策金融公庫(JFC)は、全国の中小企業を対象に融資をしてくれます。担保のない方や起業後間もない方など営業実績がない企業にも融資の検討をしてくれます。

開業などの新事業の融資は下記のものがあります。

  1. 新規開業資金
  2. 女性・若者/シニア起業家支援資金
  3. 再挑戦支援資金
  4. 新事業活動促進資金
  5. 中小企業経営力強化資金

新規開業資金は、名前の通り新たに事業を始める人や開業して7年以内の人が対象の融資制度です。

女性若者シニア向けを対象にしたものは、女性または30歳未満か55歳以上の条件があります。

融資限度額は設備資金は7,200万円の借入期間20年以内(中小企業経営強化資金は15年以内)としていて、運転資金の場合は4,800万円の借入期間7年以内です。

新規事業時だけに限らずほとんどの業種が利用できる通常貸付もあります。融資限度額は4,800万円で設備資金は10年以内で運転資金は7年以内の借入れが可能です。

小規模事業者の方が無担保・無保証で利用できる「マル経融資」は2,000万円まで借入れができます。ただし商工会議所会頭や商工会会長の推薦が必要です。

不動産や有価証券などの担保不要で融資を希望する人で、税務申告を2期以上行っている場合は「担保を不要とする融資」があります。個人の方は原則無担保・無保証人で融資を受けられます。

日本政策投資銀行(DBJ)

日本政策投資銀行(DBJ)は、企業への設備新増設・事業拡大・中長期資金供給などの資金融資やアドバイス支援をしてくれます。

融資とは少し話がズれますが、女性起業家による新ビジネスのコンペティションがあります。受賞者に最大1,000万円の事業奨励金がでるイベント的な支援も行われています。

国際協力銀行(JBIC)

国際協力銀行(JBIC)は、日本政府出資の特殊銀行です。

国際協力銀行は、日本の輸出入や海外進出の融資に一般の金融機関が行う「補完」と位置付けていますので、民間の金融機関との協調融資を原則としています。

中小企業基盤整備機構

中小企業基盤整備機構は、経済産業省所管の機関です。

中小機構の支援の一つに、ファンドから投資を受けたい方へ的確な策定が受けられる経営アドバイスがあります。

※ファンドとは、複数の投資家から集めた資金を企業に投資して、利益を上げる金融システムのことです。

企業の育成や課題の支援策を提供してくれます。中小機構が企業に直接資金を提供されるものではないのですが、経営計画や資金計画の相談窓口を通じてサポートが受けられます。

商工組合中央金庫

商工組合中央金庫は、民間と政府が共同で出資する政府系金融機関で、商工中金の略称で呼ばれることもあります。各都道府県に1店舗以上の支店があり、中小企業への円滑化を目的とし預金や貸付、手形取引などを行っています。

融資を受けるためには、商工中金の株主である株主団体とその構成員である必要があります。

一般的な融資の他に、国の対策と連携した制度や商工中金の独自制度には、セーフティネット・地域活性化支援・創業支援・革新支援・再生支援など様々な目的別に細分化されています。

金利は貸付期間、資金使途、財務状況、担保の有無など契約者によって異なります。

自治体の信用保証協会

制度融資である自治体の信用保証協会とは、事業者が自治体と基本約定を結んでいる金融機関から信用保証協会に保証してもらい融資を受ける制度のことです。

言葉で言うと分かりづらいかもしれませんが、融資までの流れを見てもらうと関係が分かりやすいかもしれません。

審査から融資までの流れ

  1. 自治体へ審査申込み
  2. 自治体の審査が通ると紹介状が貰える
  3. 紹介状を持って指定金融機関へ申込み
  4. 金融機関から信用保証協会へ保証の申込み
  5. 信用保証協会と面接
  6. 保証が通った後に金融機関の審査が通る
  7. 金融機関から融資実行

上記のように自治体と信用保証協会と金融機関の3つの機関が契約者の審査を行うため融資実行まで期間がかかります。

「自治体の信用保証協会」は協会の組織の意味というよりは、自治体から信用保証を付けた企業融資の制度としての意味で使われることが多いです。

信用保証協会は全国47都道府県にあり、事務所や店舗の住所地で事業を営んでいる中小企業が対象です。

事業主は自治体が資金の一部を銀行へ委託することで、自治体の定める条件内容での借入れがスムーズに行われます。

※政府系や自治体系の金融機関は、民間の銀行とは手続きや条件が異なるため各機関の詳細を知って、融資を受ける対策をする必要があります。

 

 

本記事での感想・分析・結果はあくまで筆者個人のものであります。

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