NPO法人を設立するメリット・デメリットは何ですか
介護・福祉事業所を開設するにあたって、会社や法人を設立しなければなりません。
法人にも二種類あり、株式会社などの営利法人を設立するか、NPO法人などの非営利法人を設立するかも選択せねばなりません。
※この記事では、NPO法人設立のメリット、デメリットを記します。
NPO法人を設立するメリットとは
NPO法人を設立する一番のメリットは、設立時に納付する登録免許税が非課税(=0円)であることが挙げられます。
*株式会社は15万円、合同会社・合資会社は6万円の登録免許税が必要です。
営利法人の設立時に6万円~15万円かかるものがNPO法人なら0円になるというのは大きいです。
それに加え、定款認証に係る手数料もかかりません。
「定款」という書類を作成し、認証しなければならないのですが、株式会社のように公証人役場で認証する必要はありません。つまり、株式会社設立時に必要な定款認証費(5万円強)は必要ありません。
もう一つ、株式会社の役員には「任期」がありますので、任期満了後には役員に変更がなくても法務局に「重任」の手続きをしなければなりません。
重任手続きには、法務局に「1万円」の登録免許税を納付する必要があります。しかし、NPO法人では重任手続きでも、登録免許税は非課税(=0円)となります。
このように、NPO法人は株式会社に比べて、設立費用も運営費用も比較的かからない法人と言えます。
NPO法人を設立するデメリットとは
PO法人を設立するデメリットは、まず、社員が10人以上必要であることが挙げられます。
株式会社、合同会社とも1人から設立できますが、NPO法人を設立する際は10人以上の社員(=正会員)が必要になります。
設立時に協力者、NPO法人として取り組む事業に共感してくれる正会員を10人集めなければなりません。
また、NPO法人の設立には6ヶ月程度かかります。株式会社等の営利法人なら、会社概要さえ決まれば1ヶ月以内で設立することが可能です。
利用者のめどが立っていて早く設立したいという場合、NPO法人より短期間で設立できる株式会社等の営利法人を設立せざるを得なくなります。
さらに、NPO法人は設立した後も、「事業報告書」や会計書類の提出を求められ、公開を余儀なくされます。非営利であるため、儲けは今後の活動資金となります。
事業報告などは株式会社等の営利法人ではない部分なので、営利法人よりか運営上はさまざまな法令等の制約が出てきます。
一つ、NPO法人は無給で働くボランティアと混同される場合がありますが、従業員の給与など必要経費は、儲けの中から支払うことができます。
※NPO法人を含め、会社経営法人経営には、メリット・デメリットがあります。将来的な事業展開も踏まえて設立すべき会社・法人形態を選択すべきです。
本記事での感想・分析・結果はあくまで筆者個人のものであります。