利用者が利用したい、利用しやすいサービスにするには☆1☆
在宅の障がい者(18~64歳)は、361万人と言われています。
就労移行支援施設は、厚生労働省の年社会福祉施設等調査で、全国の就労移行支援事業所数は、3471箇所あると言われています(2018年)。都市に至っては、 1つの大きなビルに 2つ 3つ、就労移行支援施設があるところもあります。その中で、他の就労移行支援施設の特長や違いをつくる必要があります。利用者が利用したい、利用しやすいサービスを展開しなければいけません。
それは、経営主体である社会福祉法人、NPO法人、医療法人、会社法人などが、付加価値をつけることもあるでしょう。
例えば医療法人であれば、医療のフォローが手厚いとアピールすることができます。就労移行支援施設の利用サービスに、付加価値をつけることもあるでしょう。付加価値とは、施設利用者が、他の就労移行支援施設と比較し、「是非こちらを利用したい」と思ってもらうことです。
私240(ニシオ)が、サービス管理責任者を担当していた際は、いかに勤務先の施設に付加価値をつけることが求められました。
利用者より、最初の就労移行支援施設の面談時、よく訊かれ、主に困った質問が、以下の二つです。
一つ目は、「すぐにでも就職したい」です。就労移行支援施設を希望される利用者は、就労意欲の高い方が多いです。しかし実際は、主治医の診断書を元に、モニタリングを固めるために少なくとも 3ヶ月後になります。これは、どこの施設でも同じです。就職については、主治医や就労先と相談しながら決めていく必要があるため、利用者にどうご理解いただくかは、施設職員の力量が試されます。
二つ目は、「ここの施設を利用したら、何が得になりますか。ここならではで受けられるサービスは、何ですか??」というものです。これは、例えば、就労後の定着率が高い、定着後も施設側のフォローが手厚いこと等が多く挙げられます。
面談では、利用者の心身や受療状態、職歴、就労への希望などをお伺いするだけでなく、利用者本人のニーズを満たしたものでなければいけません。
というのは、一旦、利用者が、施設利用を開始したとしても、利用者本人のニーズに沿うものでなければ、施設を退所してしまうこともあるからです。
施設は、施設として求められるニーズだけでなく、利用者本人のニーズをも果たしていかねばなりません。利用者の中には、「今迄見学してきた就労移行支援施設の中で、職員の雰囲気が一番雰囲気良かったので決めた」と話される方もいました。
何をもって、施設の特長とされるのかは、それぞれなのです。
施設が展開していく、利用者にとって利用したいサービス、利用しやすいサービスとは、利用者の視点に立ち、考える必要があります。
時には、地域と連携し、利用者が就職へつながる実習先を確保することもあります。
時に施設職員は、就職に結びつくよう、企業の面接に同行することもあります。
しかし、利用者が施設にせっかく入所しても、サービスに満足せず退所が後を立たない。広報がうまくいかない場合に起こる、定員割れの問題。利用者は集まったが、就職待機者が増える一方の問題。支援者として我々は、利用者にとって利用したい、利用しやすいサービスになることだけでなく、考えていかねばならないことは、沢山あります。
本記事での感想・分析・結果はあくまで筆者個人のものであります。